
― 機械式駐車場が“負の遺産”化する理由と、管理組合が取るべき対策 ―
マンションの空き駐車場問題が、都市部を中心に急速に広がっています。
特に、バブル期に大量に設置された**機械式駐車場(立体駐車場)**は、利用率の低下により“負の遺産”と化し、管理組合の財政を圧迫しています。
この記事では、
• 空き駐車場が増える理由
• 機械式駐車場が抱える構造的な問題
• 実際の撤去費用や維持費
• 管理組合が取り得る現実的な解決策
• トランクルーム化など最新の活用事例
を、具体例とともにわかりやすく解説します。
マンション管理に関わる方、資産価値を守りたい住民の方にとって必読の内容です。
■ なぜ都市部で「空き駐車場」が急増しているのか?
● 1. 車を持たない世帯が増えている
国内の1世帯あたりの車保有台数は12年連続で減少。
都市部では公共交通が充実しており、車を持たないライフスタイルが一般化しています。
● 2. 車種の大型化で「機械式に入らない」
SUV・ワンボックスカーなど、車高の高い車が機械式に入らない問題が深刻。
結果、住民は敷地外の平置き駐車場を選ぶケースが増えています。
● 3. 高齢化による免許返納
住民アンケートでは、車を手放した理由のトップが**「高齢になったから」**。
大規模マンションほど高齢化が進み、利用率が下がっています。
■ 機械式駐車場は「空いていても維持費が高い」
機械式駐車場は、利用率に関係なく年間数百万円のメンテナンス費用が必要です。
● 実例:兵庫県西宮市の大規模マンション
• 480台分の駐車場のうち、4割が空き
• 駐車場収入は1億円 → 6000万円に減少
• 剰余金も激減し、管理組合が危機感を抱く状況に
「このままではマンションの維持ができない」という声も上がっています。
■ 撤去費用はどれくらい?
東京・板橋区のマンションでは、8台分の機械式駐車場を撤去し、埋め立てまで行った結果…
👉 撤去費用:約700万円
もちろん、これは住民の修繕積立金から支払われます。
■ 解決策①:自走式駐車場への転換
西宮市のマンションでは、機械式を撤去し3階建ての自走式駐車場に改築。
● メリット
• 維持費がほぼゼロ
• 大型車も駐車可能
• 更新費用を約1億円削減
ただし、自走式が人気すぎて「空き待ち」が発生し、機械式の空きは完全には解消されていません。
■ 解決策②:トランクルームとして活用(最新トレンド)
空きスペースをトランクルーム化するマンションが増えています。
● 住民のニーズ
• ゴルフバッグ
• 季節家電
• キャンプ道具
• スーツケース
• 仕事道具
ただし、機械式駐車場に倉庫を置くと建築基準法に抵触する可能性があるため、
**車輪をつけて「軽車両扱い」にする」**という工夫が必要です。
国交省は安全性の観点から慎重姿勢を示しており、制度面の議論は続いています。
■ 今後の課題:制度のアップデートが追いついていない
• 駐車場設置義務は緩和されている
• しかし既存の機械式駐車場の活用は制度上の制約が多い
• 管理組合は「安全性」と「財政」の板挟み
マンションの資産価値を守るためには、
柔軟な制度設計と、住民の合意形成が不可欠です。



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