注意:ネタバレ
どろろ公式サイトから引用
©手塚プロダクション/ツインエンジン
レビュー
どろろ(鈴木梨央)の壮絶な過去。いつも明るく振舞うどろろの意外な悲しい過去。涙無くしては見れなかった。不覚にも泣いてしまった。「ドロロカラダアツイ」いつの間に言葉を覚えた百鬼丸(鈴木拡樹)?意外と上手に話している。熱を出して倒れてしまったどろろ。何が起こっているのか理解出来ない百鬼丸。いつもと違うどろろに戸惑っている。出会う人に助けを求めるが、ことごとく断られる。誰も他人を気にする余裕がない。戦乱の世の中では自分の事で精一杯。途方に暮れる百鬼丸。どろろを地面に寝かせて思案中。親切な尼さんが通りかかって危機脱出。寺でどろろの手当てをしてくれた。熱で朦朧とするどろろ。夢の中で父である火袋と母であるお自夜の事を思い出す。
お父ちゃんは夜盗の頭首。少し違うのは侍がターゲット。皆が貧しくなったのは戦争が原因。戦争を名目に侍はやりたい放題。そんな侍に責任を取らせてやる。正義のために立ち上がった異色の夜盗。しかし、侍を相手にして長続きする訳がない。右腕のイタチもそれに気づきだしていた。このままでは、いずれ行きづまる。そう思って火袋に意見するが速攻却下。みんなのためを考えた。将来の事を考えた。領主に取り入って認めてもらえれば将来安泰。夜盗の身分から脱出できる。少しはまともな生活も出来るはず。皆の事を考えて相談したのに殴られる事態。昔気質で石頭には新しい考えは通用しない。
身に染みて学習したイタチが裏切るのは時間の問題。自分の古い考えを押し付けた報い。待ち伏せされて全滅。気づいた時にはイタチはあっち側。後悔しても後の祭り。足を無数の矢で射抜かれる火袋が痛そう。命を奪わなかったのはイタチの恩義か?生きて地獄を味合わせるためか?地獄の方がましな光景。地獄より凄惨なこの世。生きていくためには食べなければならない。戦場に残された死体から食べ物を漁る火袋とお自夜。気が狂いそうな光景。物凄い腐敗臭。死体をむさぼる手負いの侍。こんな事はしたくないが生きていくには仕方がない。
侍たちの勝手な理屈。進路の邪魔。それだけの理由で家を焼かれる農民たち。何のための戦争なのか?領主のプライドだけが守られる。多くの者が犠牲になろうが関係ない。以前の火袋なら割って入って侍たちを切り捨てた。しかし、今は仲間もいない。家族の事が最優先。立ち去ろうとしたが運命か?以前、襲った侍の生き残りが火袋を見付けた。空腹でフラフラの体で戦うのは自殺行為。家族を守るためには仕方がない。何人かを切り捨てたが限界。槍で体を貫かれて相手を道ずれにして壮絶な最後。お自夜とどろろの方を向いて何かを呟いている火袋。声は聞き取れず。何を言いたいのか気持ちは伝わったはず。
戦乱の世、女一人で子供を食べさせるのは困難を極める。気丈に振舞うお自夜。限界が近づいて来る。炊き出しの列に並ぶふたり。炊き出しを指揮するイタチの姿。うまく立ち回って出世街道。炊き出しで兵士をスカウトして一石二鳥。粥をもらうには椀が必要。腹を空かしたどろろに何としてでも食べさせたい母の執念。煮えたぎった粥を手で受ける決意。子を想う母の執念。イタチも複雑な表情。かつては世話になった頭の妻。子供のどろろには想像を絶する熱さも理解出来ない。母が食べろと言うから素直に平らげた。曼珠沙華が咲き乱れている。一面赤一色。ついに力尽きたお自夜。さぞや心残りだったであろう。幼いどろろを一人残しての旅立ち。涙で画面が曇ってる。
衝撃の事実が発覚する。着物を着換えさせた尼さんの一言。「女の子」どろろは女の子。幼い子供が生きていく上で身に付けた逞しさ。それがどろろに男の子のような立ち居振る舞いをさせていたのか?女の子と知られたら何をされるか分からない。捕らえられて売春宿に売り飛ばされるかも分からない。そうならないための策なのか?百鬼丸にとっては、どうでもいい事?「女の子」と言う意味さえ理解できているのか疑問。耳を取り戻して間もない百鬼丸。やっと赤ん坊が第一声を発する段階。言葉の意味なんて分かっているわけがない。元より、どろろが女であろうが男であろうが関係ない。どろろは、どろろ。百鬼丸にとっては、もはや相棒。ひとり慌てるどろろ。慌てる意味がない事に気付いていない。いつも明るく前向きなどろろの壮絶な過去。宿命を背負った二人はどこへ向かっていくのか?
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