注意：ネタバレ
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第11話（最終話）「偉大な国へ」感想・レビュー（ネタバレ）
看守はどんなきっかけでいつの間にアリーと会っていたのか不思議。カイにぞっこんで妄信していると思っていたのに実はそうではなかったということなんですか。FBIと内通していたアリー。FBIからの情報でカイと看守の関係を聞いて自ら会うことを決断したのか。FBIが絡んでいたら刑務所内でのカイの身代わり殺人なんか許すはずがない。カイが刑務所から出ることなんて当然許すはずもない。考えられるのはアリーが単独で看守と会ったということ。刑務所内には看守はたくさんいるはず。その中で黒人女性の看守がカイとつながりがあるということを知るには刑務所内にいる協力所からの内通しかない。アリーに刑務所内に協力者がいるという描写もない。看守の協力がなければ公開討論会での襲撃を阻止することはできなかったはず。そんな大事なつながりが抜けてるなんて雑すぎます。それに用心深いカイが拳銃以外にナイフなどの武器を持ってなかったのもなぜなのか。ナイフがあれば銃に弾が入ってなかったとしても咄嗟にさすこともできたはず。ビバリーが銃を持っていたのが誤算だったとしても一矢報いるチャンスはあったのかもしれない。最後の最後で穴だらけの脚本。穴がありすぎて締まらない最終話。
ある意味FBIとの司法取引みたいなものなのか。カイはアイビー殺害を否定している。執拗に否定していることを考えればアリーが殺害した線もでてくるはず。それなのにFBIはアイビー殺害の再捜査を一切していない。今更遺体もなく証拠もないので捜査をしても無駄だと思っているのか。貴重な情報源をなくすよりはカイに罪をかぶせたままにしておいた方がいいとでも思っているのか。公開討論会でのカイ襲撃のインパクトは大きすぎる。生中継を観ていた人たちの頭に刻みこまれてアリー・メイフェア・リチャーズの名前は一生忘れることができないはず。投票用紙を目の前にした時にも真っ先に名前が浮かぶはず。襲撃事件を切り抜けた時点で当選は決まったようなもの。予想通りに当選し今やアリーは上院議員。心の闇を民衆は知らない。女性の権利を主張するフェミニストのリーダーであるアリーしか知らない民衆。目的のためには人を殺すこともいとわない残忍な本性。カイでさえも騙されてしまった人心掌握術。ミイラ取りがミイラになる。カルト集団に入り必死の思いで脱退したアリー。集会にいくため黒いフードを被るアリー。その姿は「スカム」のビービーそっくりな恰好。結局のところ自らフェミニストなカルト集団を築き信者を増やし上院議員になったアリー。やってることはカイとそんなに変わりない。
アメリカンホラー・ストーリーにしては異色のシーズン。幽霊や超常現象は一切なかった。ちょっとだけカイにだけはマンソンの幻影が見えたり死んだはずの兄のヴィンセントの遺体が起き上ったりの描写があっただけ。全てはカイだけの体験なので精神異常者特有の幻覚で片づけられる。エヴァン・ピーターズの何役もの演技は見ごたえあった。しかし、話は人間の怖さやカルト集団が出来上がっていく過程なので今までのアメリカンホラー・ストーリーとは毛色が違った。これはこれで人間の闇をつづったホラーなのでいいのではないかと思える。前シーズンまでに感じられる情緒のような独特の雰囲気があまり感じられなく別の作品のように錯覚してしまうこともあった。アメリカンホラー・ストーリーにしては新しい試みなのかな？新しいことに挑戦するのは大いにやってもらいたい。でも、今までの雰囲気も大切にしていってもらえたらよりよいものができるんじゃないですか。
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