注意:ネタバレ
進撃の巨人公式サイトから引用
©諫山創・講談社/「進撃の巨人」製作委員会
レビュー
第58話:進撃の巨人
「進撃の巨人……」虚ろな目でつぶやくエレン。興味津々のハンジ。好奇心を抑えきれないハンジが騒ぐ。この人がエルヴィン団長の後釜。調査兵団は大丈夫?好奇心の誘惑に流されて調査兵団をほったらかしにしそう。でも、責任感は強いから大丈夫か?エレンも父の記憶と現実を行ったり来たり。どっちが現実か分からなくなってそう。「こいつは15だから!」で片付けるリヴァイ。カギを握るエレンの言葉を、そんな簡単に片づけていいのか?確かにたそがれる15歳は面倒くさいかもしれない。でも、普通の15歳とは違うはず。
この時を、待っていた梟。何人も何人も壁の上から蹴落とした記憶。そうしなければならなかった現実。地獄のような日々。やらねば悲願は達成できない。それが今。グリシャとの出会い。進撃の巨人の力を託し始祖の巨人を手に入れるために。巨人の力を受け継いだ者は、8年の寿命。父の記憶から知ってしまったエレンの胸中は?それを知っていてもエレンに巨人の力を受け継がせたグリシャ。一族の悲願。無残に殺された仲間たち。嬲り殺された妹。数々の顔が浮かんでくる。受けないわけにはいかない。しかし、心は揺れる。本当にそんな事を信じていいのか?梟も敵かもしれない。そんな事を考えても、この状況では選択肢は一つ。梟の申し出を飲むしか助かる道はない。船は巨人化した梟が全て破壊した。街に戻る事は出来ない。戻ったところで処刑されるだけ。道は巨人の力を受け入れ壁に囲まれた街を目指すのみ。
始祖の巨人の力を使えた不思議。エレンの閃き。あの巨人はダイナ・フリッツ。父であるグリシャの前の結婚相手。腹違いの兄ジークの母親。王家の血を受け継ぐ者。エレンの母親を食った巨人。触れた瞬間に周囲の巨人を操る能力。こんな事を言えるわけがない。そんな事実を知ったらヒストリアは生贄。巨人にされて利用されるのがオチ。思わず叫びそうになり言葉を飲むエレン。またもや「15歳」で片付けられる。ハンジの冷ややかな目。観察力は折り紙付き。エレンが何かに気付いたのは見抜かれてる。しかし、それは言ってならない事。皆が知る事で誰かに不都合が生じる。冷ややかな目。どこまで見抜いているのかはかり知れない目。壁の中の人々を守るためには、そうする方が手っ取り早いのかもしれない。でも、犠牲を出すのはたくさん。共に過酷な訓練をくぐり抜けて来た仲間。仲間を失うのは耐えられない。言うべきか?黙っているべきか?エレンの心は揺れ動く。
進撃の巨人公式サイトから引用
©諫山創・講談社/「進撃の巨人」製作委員会
第59話:壁の向こう側(最終話)
空想の産物ではなかった。一面に広がる青い水。海。本の中だけの存在だった海。それが眼前に広がっている。子供の頃に三人で見た本。その光景が広がっている。エレンとミカサとアルミンの約束。一緒に海を見るという約束。その約束は果たされた。犠牲の上で果たされた約束。エルヴィン団長の代わりに生かされた命。友の想いで生かされた命。しかし、それを誰もが祝福するのは間違い。大半の人間の後ろ指。「何故、お前なのか?」と視線が刺さる。残りの人生は針のむしろ。間違いを犯す度に厳しい視線が貫くはず。友のためにも人類に貢献しなければならない。アルミンには能力があるはず。リヴァイが折れたのは、アルミンの能力を認めた結果。
梟の謎の言葉。アルミンとミカサを助けたければ進撃の巨人の力を受け継げ。エレンが生まれるはるか昔の話。グリシャは壁の中にも辿り着いていない現実。それなのに、アルミンとミカサの名前が梟の口から出た。言った本人さえも意味が分からない。これは何が起こっているのか?巨人の力で時間軸まで超越してしまったのか?9つの巨人の力。進撃・超大型・鎧・獣・ユミル・女形。他にいたっけ?思いつくだけでも6つ。始祖の巨人は入るのか?残りの巨人は何処に?遂に民は真相を知る事になる。レイス王に操作された記憶。自分達の歴史は操作されていた。いつの時代もマスコミの力は絶大。あっという間に情報が飛び交う。反応は様々。信じる者、信じない者。慌てふためく者、思った通りだと納得する者。千差万別の反応。しかし、事実はひとつ。マーレの脅威が迫ってきている。
フロックの説得力。調査兵団への憧れ。憧れだけでは悲惨な現実を受け入れることは出来ない。死の恐怖と隣り合わせた説得力。心臓をささげるという意味。本当に理解しているのか?死が迫ってきた時に納得できるのか?フロックの叫び。アルミンの責任追及。誰が考えても残るべきはエルヴィン団長。その団長にかわって生かされた命。その重みを背負って生きて行かなければならない。一生、十字架を背負って人類に命を捧げなければならない。その重さを理解しているのか?心臓をえぐられるような感じ。アルミンの胸にフロックの言葉が刺さる。生かされた責任。背中にのしかかるエルヴィン団長の重み。広がる海の向こうには楽園などなかった。青く広がる海の向こうにあるのは島の人々を根絶やしにしようとする敵のみ。壁の外には自由などなかった。レイス王につくられた記憶。真実を知った人類。戦争は目の前に迫っている。
シーズン3が最終回。怒涛のような展開。様々な謎が明らかになった。新たな敵の存在が明かされた。エレンに残された時間は限られている。次の展開はどうなるのか?ファイナルシーズンは2020年秋。1年以上も先の話。これは長すぎる。しかし、しょうがない。クォリティを維持する関係もあるのかもしれない。早い完成でクォリティの低いものを観せられても納得できないはず。それなら作り手も視聴者も納得できるものを作るのがお互いに幸せになれるはず。先が気になる。アニメのみを観ているのでコミック観ない派。先は気になるが我慢しよう。待ちに待って観た方が楽しめるはず。ファイナルシーズン。期待してます。
コメント