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【NETFLIX】DEVILMAN crybaby【デビルマン】第10話【最終話】「泣き虫」レビュー(ネタバレ)

注意:ネタバレ

devilman
NETFLIX公式サイトから引用/©1997-2019Netflix.inc

レビュー

全ては飛鳥了(村瀬歩)を中心に回っていた。子供の頃に岬で出会った不動明(内山昂輝)と飛鳥了。そこから物語は始まっていた。記憶を失くした飛鳥了。そんな彼に優しく手を差し出した不動明。ふたりの不思議な友情。自分が何者なのか分からない。同年代の子供たちとは明らかに違っていた。「サタン」神に歯向かい天界を追われた堕天使。それが飛鳥了の正体。悪魔の英雄であるアモンと不動明を融合させたのも彼の計画。不動明を悪魔に仕立て上げ友人として迎え入れるため。他の人間などどうでもいい。しかし、不動明だけはかけがえのない存在。記憶を失くし何も分からない自分に手を差し伸べてくれた。人間を淘汰して悪魔の世界になっても友人としての関係を続けるため。しかし、不動明にとってはどうでもいい事。こんな世界にした張本人。牧村美樹(潘めぐみ)の命を奪った張本人。許すことは出来ない。

ずっと友人だと思っていた。全ては飛鳥了に仕組まれていた。自分をデビルマンにしたのも飛鳥了の計画。今更、自分のためにした事だと言われても到底受け入れる事の出来ない事実。人間の心を持ったデビルマンたちが不動明に賛同する。悪魔に戦いを挑むデビルマンたち。自滅して行く人間たち。疑心暗鬼になり残酷な本性が剥き出しになり互いに殺しあう人間たち。悪魔の姿をしているが人間の心を持ったデビルマンたち。この世界を守るためにデビルマンたちが戦う。なぜ不動明が怒っているのか理解出来ない飛鳥了。この世界を手中にして永遠に友人同士で生きながらえる事が嬉しくないのか?

愛する者を奪われた不動明の怒り。牧村美樹を守るためだけにデビルマンとして生きる事を決意した。悪魔の姿をした自分を受け入れてくれた牧村美樹。愛する人。家族。全てを奪われた不動明の怒りが頂点に達する。しかし、サタンの力は圧倒的。勝てる見込みのない戦い。圧倒的な力の前では無力。悪魔と人間とデビルマンの三つ巴の戦い。サイコジェニーの攻撃を防ぐ人間の特攻部隊。飛鳥了の面倒を見て来たサイコジェニーの最後。死を覚悟した人間に串刺しにされて力尽きる。人間の最後の砦も陥落。善戦虚しく絶滅した人間。

clouds

並んで空を見上げる親友同士。戦いの後の平穏。飛鳥了が不動明に語り掛ける。子供の頃から共に過ごした楽しかった思い出。空を見上げる不動明は無言で空を見つめている。飛鳥了の問いかけに反応なし。とっくに力尽きて命の火が消えた抜け殻。上半身だけになった不動明。ちぎれた下半身が無くなっている。こんな状態で生きているはずは無い。サタンとの激闘の末の結果。返事をしない不動明。飛鳥了に経験した事のない感情が湧いてくる。不動明の死を確信した瞬間。二度と親友と語り合う事が出来ない現実に直面した瞬間。涙が溢れてくる。

悲しみ。そんな感情が悪魔にあるはずは無い。しかし、それ以外に説明がつかない。それほど不動明を大事に思っていた飛鳥了。その命を自ら奪ってしまった後悔。様々な感情が押し寄せてくる。子供の頃から不動明と接する事によって人間の心を学んでいたのかもしれない。知らず知らずのうちに人間の感情を手にしていた飛鳥了。不動明の存在は飛鳥了にとって、それほど大きな存在だった。しかし、神は許さなかった。感情を得たとしてもサタンがやったことは許すことは出来ない。神に敵対する行為。神の子である人間を絶滅させた罪。

神の光が地球に降り注ぐ。全ては始まりに戻る。悪魔を一掃し地球は再生する。サタンのやった事、不動明が守ろうとした事。全ては無に帰る。全ては神の意志のままに。この世界の命運は最初から最後まで神に委ねられている。悪魔や人間があがこうが神にとっては関係のない事。全てを無にして振出しに戻せばいいだけ。ファミコンのリセットボタンを押すようにやり直し。神にとっては、その程度の事なのかもしれない。

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