注意:ネタバレ
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レビュー
残酷な現実。飛鳥了(村瀬歩)の策略。デビルマンである事を全世界に配信された不動明(内山昂輝)。凍り付くワム(KEN THE 390)。そんな現実を突きつけられたら銃を向けずにはいられない。必死で弁明する不動明。人間を守るために悪魔を倒す事を心に刻む。しかし、人々は見た目で判断する。そんな現実を突きつけられても牧村美樹(潘めぐみ)はミキのまま。不動明を抱きしめる牧村美樹。そんな二人を見たら銃を突きつける自分がナンセンス。不動明が悪魔ならとっくに命を奪われていたはず。そうしないのは不動明の言う通り人間の味方をしている証拠となる。ミーコ(小清水亜美)にも緊張が走る。デビルマンとなったミーコには誰も気付いてはいない。場合によっては悪魔の力でこの場を脱出。ミキのおかげで取り越し苦労。自分の想いをSNSに発信。自分に正直に思ったことを綴っただけ。不動明は何ら悪いことはしていない。自分の事を小さい時から守ってくれた。それは今も変わらない。
牧村美樹の影で、いつも二番手だったミーコ。牧村美樹を目標にしていた。ライバルとして憎しみもあったかもしれない。でも、心の底では憧れていた。デビルマンとなった今もその気持ちは変わらず。姿形は悪魔になっても本質はミーコのまま。内面だけをみれば人間よりも人間らしいデビルマン。怪しいと言うだけで磔られて晒し者。人間同士で疑心暗鬼。それこそが悪魔達の目論見通り。冷静に考えれば分かるはず。本当に悪魔なら磔にされる前に本性を現し皆殺し。そうしないのは本当の人間である証拠。そんな事も判断できない程に混乱してしまった人間たち。このままでは悪魔の思う壺。人間同士で殺し合い自滅するのを待つばかり。
磔にされた人々の前に立ちふさがる不動明。石を投げられ銃で撃たれても耐え忍んで訴え続ける。人間同士でいがみ合ってはいけない。それが間違いである事に気付いてくれ。次第に不動明の言葉が人々の心に染み込んでいく。感受性豊かな子供たちだからこそ真っ先に響いた。子供たちが恐ろしいデビルマンの姿をした不動明に寄り添って来る。人々に動揺が走る。子供達の行動で我に返る大人たち。なんて愚かな事をしていたのか?この悪魔の姿をした者は必至で争うなと訴えている。敵は人間ではない。敵は悪魔。
牧村美樹の行動が裏目に出てしまった。牧村美樹を悪魔とみなした人たちが押し寄せて来た。人間の姿をした悪魔たち。ワムたちも抵抗するが多勢に無勢。次々に大勢の人達になぶり殺しにされていく。まさに地獄絵図。こいつらは人の姿をしているが悪魔以下の下劣な存在。悪魔狩りとは言っているが血に飢えているだけの獣たち。牧村美樹が悪魔でないのは一目瞭然。それなのに血祭りにあげるために追い続ける。デビルマンとなったミーコが牧村美樹を乗せて逃げる。なぜ、民間人が銃を持っている?ミーコが銃でハチの巣にされる。必死で牧村美樹を逃がそうと自分を犠牲にするミーコ。その気になれば人間なんかひとひねりのはず。それなのに無抵抗を通すミーコ。こんな奴らと一緒にされてたまるか。自分は悪魔の姿をしているが中身は人間。殺戮を許してしまったら、ただの下劣な悪魔に成り下がってしまう。暴力の虜となった奴らにはミーコの言葉は届かなかった。獣と化した奴らが牧村美樹を追ってくる。きっと不動明が助けに来るはず。子供の時から不動明はピンチの時に現れた。現実は残酷。そんな想いは簡単に踏みにじられる。
デビルマンになっても人間と分かり合える。自分が悪魔と戦う意味。それは牧村美樹を守るため。子供時の時から彼女を守ってきた。デビルマンとなった今も同じ想い。一歩遅かった。迷惑がかかると出て行ったことが裏目に出てしまった。牧村美樹の側にいるべきだった。側にいて何が何でも守り抜くべきだった。燃え上がる家に呆然とする不動明。狂った群衆。これが人間の本性。悪魔よりも下劣な本性。牧村美樹の虚ろな目がこっちをジッと見つめている。光の無い目がジッとこっちを見つめている。バラバラにされた愛する人。無残にも串刺しにされかかげられている。不動明の中で何かが蠢いた。人間なんか滅んでしまえ。救いようのない人間。こんな世界なんか無くなってしまえ。悪魔も人間もいなくなってしまえ。家族を人間に奪われた哀れなデビルマン。怒りの炎が辺りを包んで行く。エンディングでの牧村美樹。不動明の運転するバイクの後ろに乗って幸せな表情。不動明の背中に寄り添う牧村美樹。安らかな笑顔。これが現実なら良かった。現実は残酷。救いようのない人間。人間は絶滅する選択肢しかないのだろうか?
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