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【海外ドラマ】ベター・コール・ソウル シーズン6第3話「万事休す」レビュー(ネタバレ)

注意:ネタバレ

bettercallsoul
NETFLIX公式サイトから引用/©1997-2022Netflix.inc

第3話:「万事休す」レビュー

衝撃的な神回。
緊張感と感動で胸が苦しくなってしまった。
かつてこんなに心動かされるドラマがあっただろうか?
凄い、凄すぎる。
最も死んで欲しくない人が死んでしまった。
なんとか逃げ延びて生きて欲しかった。
でも、そんな事が無理なのは本人が一番理解してる。
何よりも自分が逃げれば父親の命が危なくなる。
ヘクターやガスがナチョをおびき寄せるために父親をエサにするのは目に見えている。
賢いナチョもそんなことは分かっていた。
この先自分は助かる道はない。
でも、大好きで尊敬してる父親はなんとか助けたい。
だから、マイクに電話をして父親の事を頼んだ。
ナチョが唯一信用できる人。
父親との電話が泣けてくる。
言葉少ないのが余計に悲しみを誘う。
別れの言葉を行ってしまったらそれが現実になってしまう。
だからお互いに別れの言葉は切り出さなかった。
願わくば以前のようの生活に戻れたらと心の隅で考えた。
でもナチョも父親もそれがもう無理なのは十分理解している。
だから言葉少なになってしまう。
お互いに言いたいことは山ほどあるはず。
でも、それを言ってしまったら悲しみが押し寄せる。
だから、わざと平静を装っていた。
ナチョと父親の気持ちを考えるといたたまれなくなる。
恐らく父親は息子の死を知らされることはない。
ナチョの遺体は見つかることはないだろう。
この電話が最後の電話。
悲しい、悲しすぎる。

マイクが車を降りるときのナチョとのアイコンタクト。
信頼し合った者同士の会話。
あのアイコンタクトが最後の別れ。
マイクに父親の安全を託すナチョ。
それを受けるマイク。
言葉はなくても心の通い合うふたり。
ジーンと感動してしまった。

ガスとのシナリオを無視するナチョ。
どうせ死ぬなら自分のやりたいようにやってる。
しかし、ガスを裏切ることはできない。
そんなことをすれば報復で父親が殺されてしまう。
最低限ガスの差し金でないことを言い放つナチョ。
内心ヒヤヒヤしているガスの気持ちが伝わってくる。
自暴自棄になったナチョが自分の差し金でラロを襲った事を告白するかもしれない。
でも、それはガスがナチョの事を理解していない証拠。
ナチョにとって父親を何としてでも守ることが最後の望み。
父親に危害が及ぶことをするはずがない。
だから、ガスが黒幕である事は隠し通した。
ボルサを人質にとってシナリオを破ったのは、ガスとヘクターに一矢報いるため。
このままただで死ぬわけにはいかない。
ばらされるかもしれない恐怖をガスに味あわせるため。
ヘクターに薬をすり替えた事を告白しやり場のない怒りを持たせるため。
怒りに震えるヘクターのチンチン連打。
あのまま、ボルサとサラマンカファミリーを殺してしまってもよかったが全員をひとりで殺すのは不可能。
そんな事をすれば自分が死んだ後に報復でカルテルに一家皆殺しにされるのがオチ。
あそこまでが精一杯。
なんとか逃げ切って欲しいとワンチャン希望を持ったが、それも難しかった。
最初からナチョはこうする事を決心していた。
自分の頭に銃口を当て引き金を引くナチョ。
一瞬、静寂が訪れる。
心臓が止まりそうになった。
呼吸が苦しくなってしまった。
頭から血を流し倒れるナチョ。
わずかな希望も打ち砕かれた。
こうなる運命だったのか?
サラマンカファミリーに関わった時からこうなる運命だったのか?
悲しい余韻が流れていく。

自分の手でナチョを仕留める事ができなかったヘクター。
怒りまくるヘクター。
自分をこんな体にしたナチョに報復することができなかった。
怒りのやり場が見つからない。
ベルに当たり散らすヘクター。
チンチン連打でベルの音がとめどなく流れていく。
仕方なくナチョの亡骸に銃弾を撃ち込むヘクター。
それぐらいしかできることはない。
そんなことしたところで怒りが晴れることはない。
残された不自由な体。
一生施設で人の世話になる生活。
そんな体にした張本人は自ら命を絶ってしまった。
怨みを晴らす機会を奪われたヘクター。
ある意味これはナチョの勝利。
怒りに我を忘れたサラマンカファミリーがナチョの父親を襲う可能性も捨てきれない。
でも、それはマイクも想定しているはず。
もし、そうなれば命懸けでマイクは父親の身を守るだろう。
それがマイクだから。
ナチョとの最後の約束だから。

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