注意:ネタバレ
どろろ公式サイトから引用
©手塚プロダクション/ツインエンジン
レビュー
いきなり襲ってくる音の嵐。耳が戻って来た事で逆に苦しむことになってしまった百鬼丸(鈴木拡樹)。生まれて初めての経験。音が何であるかも理解できていない。想像を絶する苦痛。普通の人では聞き取ることが出来ない音にも反応する。どろろ(鈴木梨央)にとっては静かな山奥。不快な音など聞こえてこない。しかし、百鬼丸にとっては自然の音の洪水。木々がこすれる音。ピューピューと吹く風の音。川を流れる水の音。動物たちの息づかい。それらが百鬼丸の頭の中に響き渡る。「兄貴!」と心配するどろろの声が一番不快。どろろが叫ぶたびに耳を塞いで後ずさり。
物の怪との戦いにも影響甚大。一切の音のない世界で魂の色を追って戦って来た百鬼丸。それが今は頭の中に物の怪の叫び声が響いてくる。戦いに集中できず思うように動けない。耳が戻ったことで弱くなってしまった百鬼丸。今後、他の部分を取り戻した時にも同様の事が起きる心配。万事休す。物の怪に押される百鬼丸。このまま餌食になってしまうのか?これも神の引き合わせなのか?偶然通りかかったのは本音なのか?普通の人間のはずなのにこの強さ。目が見えていない分、普通の人間よりも劣るはず。刀を一閃、琵琶丸(佐々木睦)が物の怪を切り裂いた。あれだけ百鬼丸が苦戦していた鳥の物の怪をあっさり一刀両断した琵琶丸。ただの坊さんでないのは明白。度々、どろろと百鬼丸の前に現れるのも怪しい。本当はいったい何者なのか?いまだ正体不明。
琵琶丸の応急処置で急場をしのぐ。傷から感染を起こせば致命傷。薬が無いから安静にするしかない。安静にするにも音が邪魔をする。何かに反応する百鬼丸。その音に吸い寄せられるようにヨロヨロ向かっていく。どろろの声とは大違い。百鬼丸にとっての心地よい音。ミオという少女の唄声が百鬼丸を魅了した。戦で家も両親も失った子供たち。そればかりか体の一部まで奪われている。不憫な境遇の子供たちで肩を寄せ合って生きている。そんな子供たちの面倒を見ているミオ。にらみ合っている両陣営。今にも戦が始まりそう。不穏な空気が辺りを覆っている。戦が始まればミオたちが住居にしている場所も巻き込まれるに違いない。快くどろろたちを迎え入れてくれた子供たち。必死で毎日を生きようとしている。生活を支えるためにミオは夜に陣営の侍たちの世話をしている。怪しい。怪しすぎる。いったい、どんな仕事をしているのか子供達は知らない。寂しそうな表情をするミオ。なにか事情がありそうな気配。
にらみ合っている陣営を避けて獣道をさがす琵琶丸。こんな道を行くなんて、やっぱり普通の坊さんであるわけがない。山奥の開けた土地を発見。ここならミオたちも戦の影響を受けずに安全に暮らす事が出来るはず。トントン拍子にいかないもの。この土地が放っておかれたのには理由があった。先客が住居にしていた。先客に出て行ってもらわなければ立ち入るのは危険。百鬼丸が探し求めている鬼神。その鬼神のうちの一体が巣くっていた。話の内容を理解出来たのか?不思議な光景。耳は聞こえるようになったが、言葉は理解できていないはずの百鬼丸。むくりと起き上がり獣道の方へ歩き出した。琵琶丸の心の中を読んで鬼神の存在を理解したのかもしれない。傷が癒えておらずヨロヨロ歩く百鬼丸を琵琶丸が追いかける。
稼ぎを増やすために反対陣営にも仕事に行くと言うミオ。心配する子供たち。琵琶丸が言っていた新天地。鬼神が片付けば、そこで暮らす事になりそう。新天地に移るにしても先立つものが必要。そのために頑張らなければと自分を奮い立たすミオ。心配したどろろがミオの後をつける。やめておけばよかった。知らない方がいい事もある。明るく清潔感あふれるミオ。子供たちの面倒をみる優しいミオ。唄を唄う理由。何もかも夢の中。唄っていれば嫌な事が起こっていても忘れる事が出来る。子供たちのため。生きていくため。弱いものが生きていくためにはこうするしかない。ミオにのしかかる侍たち。どろろは見てはいけないものを見てしまった。弱い者が淘汰される世界。自分よりも強い者に生かされる世界。不条理な世界。現実を突きつけられたどろろ。
鬼神を相手に連携攻撃の百鬼丸と琵琶丸。いつもの動きが出来ない百鬼丸に琵琶丸のアドバイス。蟻地獄のような鬼神の姿。土の中に引き込まれて行く百鬼丸と琵琶丸。百鬼丸の太刀が鬼神を捕える。片足を失い苦悶の表情を浮かべる百鬼丸。声、声、声。突然、叫び声をあげた百鬼丸。第5話にして、やっと出番が回って来た鈴木拡樹。百鬼丸は鬼神を倒して声を取り戻したのか?耳と声を取り戻せば意思の疎通がはるかに楽になる。それよりも足の傷が心配。かなりの深手。今度こそは応急処置では危ないかもしれない。体に痛手を負った百鬼丸。心に痛手を負ったどろろ。ふたりは立ち直る事は出来るのか?
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