【アニメ】どろろ【手塚治虫】第7話「絡新婦」レビュー(ネタバレ)<百鬼丸の笑い声>




注意:ネタバレ

dororo
どろろ公式サイトから引用
©手塚プロダクション/ツインエンジン

レビュー

人間も千差万別。善人もいれば悪人もいる。化け物も千差万別。血を求めて人間を襲う者もいれば、生きていくためにしょうがなく人を襲う者も存在する。百鬼丸(鈴木拡樹)が見る魂。赤く光るのは人にとって害をなすものの印。見た目は化け物でも人に敵意が無ければ百鬼丸は反応しない。いつも無表情の百鬼丸。体を奪われるのと同時に感情も奪われてしまったのかもしれない。声を取り戻したが笑い声も聞こえてこない。笑うという感情が理解出来ない百鬼丸。

人さらいの発生する村。化け物の仕業だと思うのは普通の考え。それは間違った思い込み。化け物だから悪い事をすると考えるのは間違っている。人間に姿を変えた弱った絡新婦(じょろうぐも)。化け物の姿では見つかった途端に処分されてしまう。自分を守るための緊急措置。人に助けてもらおうなどと考えてはいなかった。親切な弥二郎が絡新婦を助ける。綺麗な女性の姿だから助けたのか?少しは下心があったのかもしれない。ツンデレな絡新婦。初めて食べる人間の食べ物が新鮮。しかし、そんなものでは傷は癒えない。人間の生気を吸えば元気百倍回復間違いなし。しかし、何を思ったのか弥二郎の生気は吸おうとしない。いくらでもチャンスはあったはず。助けてもらった恩義を感じての行動。弥二郎もおはぎと名付けた女が普通でないのは気付いていたはず。

困っている人を見過ごせない性格なのかもしれない。村には医者がいない。弱っていくおはぎを一刻も早く医者に見せなければならない。しかし、おはぎは旅の札をもっていない。関所で怪しまれたら捕らえられてしまう。人さらいの告白。逃がし屋をやっていた弥二郎。困っている人を放っておけない性格からの裏家業。村を出たい人達を逃がす仕事。正確には本人の同意を得ているから人さらいではない。突然、人がいなくなるからそう呼ばれているだけ。

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spider

スパイダーマンのように追っ手を撃退。蜘蛛繋がりだからそうなってくる。侍たちの生気を吸って元気百倍で復活。生気を吸って人を殺しまくっているのかと思っていた。そんなことはしていない自然の摂理を理解している絡新婦。ヘタな人間よりも常識人。今まで人の命は奪った事ないと衝撃の告白。適度に生気を吸って逃がすのが定石。人間は生気を吸われても時間が経てば回復する。化け物だからと言って問答無用に退治するのも理不尽な行為。生きていくためにやっているだけ。牛や豚の命を奪って食べている人間の方がよほど罪深い。

しかし、百鬼丸にはそんな事情を理解する事は出来ない。追っ手の侍たちに敵意をむき出す絡新婦。生気を吸って本来の化け物の姿に戻った。赤く光る魂に反応する百鬼丸。何かが違うと感じるどろろ(鈴木梨央)を尻目に刀を抜いて切りつける。劣勢の絡新婦。矢が刺さって傷ついた弥二郎を心配する。人間と化け物の不思議な関係。みるみる敵意が消えていき魂の赤い光が消えて行く。敵ではないと認識した百鬼丸が刀を収める。弥二郎と絡新婦の間に愛が芽生えたのかは疑問。しかし、種族を越えての友情のような絆が生まれたのは確か。

互いを敵と認識して殺し合って来た人と化け物。お互いを理解する事によって共存する事も可能である事が証明された。人と化け物の不思議な関係。かけがえのない命。それを奪う権利は誰にもない。顔にたかってくる蜘蛛にも命はある。人の勝手な都合で簡単に命を奪っていいわけではない。弥二郎と絡新婦の不思議な関係をまじかにして何かを学んだどろろ。何かを感じていたのはどろろだけではなかった。百鬼丸も二人の関係に何かを感じ取っていた。誰かが鼻で笑っている。初めての笑い声。思わず出た心の中からの笑い。体だけではなく感情も取り戻しつつある百鬼丸が初めて笑った。

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