注意:ネタバレ
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レビュー
ハンク(アラン・リッチソン)とドーン(ミンカ・ケリー)のなれそめが、そんな悲劇から始まるとは想像できなかった。最初のホーク&ダブはハンクとドニーの兄弟がやっていた。きっかけは、ハンクの触れられたくない過去。自分の中で封印した過去。子供のころからアメフトの注目選手だったハンク。弟のドニーはいつも自慢の兄貴を応援していた。一癖ありそうなコーチ。こんなコーチに出会ってしまったのが運の尽き。逆らえばアメフトでの道が閉ざされてしまう。卑劣な手口。子供が抵抗できないのを分かっていての犯行。心に傷を負ったハンク。頭に受けたダメージは蓄積されていく。ある日、突然深刻な状態に陥る。そうなる前に危険なことはやめるべき。アメフトに危険はつきもの。しかし、寝たきり状態になっては何のためにやって来たのか分からない。突然、気を失い倒れるハンク。ドニーの心配は的中した。大事な自慢の兄貴に何かあったらどうしよう。医者から試合に出る事を止められるが、聞く耳を持たないハンク。
ドニーが兄の事を心配して、監督に相談するのはおかしくない。頭の事を隠して試合に出ればいきつくところは廃人。愛する兄貴がそんな事になるのを見過ごすわけにはいかない。だから、ドニーは監督に相談した。ハンクに黙って相談したのが裏目に出た。スタメンから外されるのは確定。爆弾を抱えた選手を主力メンバーに入れる監督はいない。これでプロになる夢が閉ざされて行く。兄弟喧嘩が始まった。エキサイトするハンクの声が大きくなる。ここは図書館、勉強をする場所。大声で口論をするのは大迷惑。生徒のひとりが注意した。頭に血が上って冷静な判断が出来なくなっていたハンク。相手を殴ってノックアウト。何故かドニーも参戦する。兄はアメフト。弟は武術。普通の学生がかなうわけがない。校内で喧嘩すれば呼び出しがもれなく付いてくる。予想通り、呼び出される二人。詫びを入れるのかと思えば、悪態をついて大学を飛び出した。もったいない。
全てを投げだした二人。何をするのかと思えばヒーロー稼業を始めた。アメリカは性犯罪者の住所が登録されている。それをネットで閲覧できる。危険な奴が近くにいると言う注意喚起。何の罪もない国民を守るための措置。犯罪者に情けはいらない。日本も見習ったらいいのに。中には証拠不十分で釈放になった奴もいる。犯罪を犯したのに堂々と普通の生活を送っている。被害者は心に深い傷を負って泣き寝入り。中にはショックが大きすぎて自ら命を絶ってしまう人もいるはず。そんな犯罪者に天罰を与えるヒーロー。正義感に溢れた二人がそれを始めた。コスプレに身をまとい性犯罪者を罰する様子を動画に撮ってネットにアップ。世間は待っていた。ヒーローの登場を待っていた。新聞にも取り上げられ大反響。ご満悦の兄弟。
バレエダンサーのドーン。美しいダンス姿。体操と柔術もやっていた。完璧な経歴。母と一緒にアフタヌーンティー。母の彼氏は、ろくでもない奴らしい。切れたドーンが腕を折った事もある。綺麗な顔をしているドーン。怒らせたら鬼のように怖いに違いない。仲の良い母娘。母の事を愛しているからこそ厳しい言葉もかける。母も娘の事を愛しているからこそ厳しい言葉に納得する。最高の母娘の関係。道を歩いていて偶然ぶつかってお互いにひとめぼれ。ハンクとドーンのなれそめ。ほほえましい光景。ありがちな出会い。ハンクの弟ドニーとドーンの母も公認の関係?
悲鳴を上げそうになった。悲鳴までとはいかないが声が出てしまった。画面を観ながら頭が真っ白。実際に事故で大事な人を奪われる描写。これがリアルな描写なのかもしれない。誰も今日大事な人が奪われるなんて思っていない。突然、その時は訪れる。何の前触れもなしに訪れる。ハンクとドーンがぶつからなければ巻き込まれなかったかもしれない。新聞を買わなければ今も弟とヒーローをやっていたのかもしれない。母とアフタヌーンティーを楽しまなければ今も母は目の前にいたのかもしれない。頭の中をグルグルとあの時、あの時と後悔が回っていく。いくら考えても大事な人は戻って来ない。分かっているが頭の中で繰り返し繰り返し回っていく。遺族の会でハンクとドーンが再会。互いに同じ日、同じ場所で最愛の人を亡くした。同じ境遇が二人を引き寄せる。次第に惹かれ合う二人。ハンクの部屋で偶然ヒーロースーツを発見するドーン。ハンクの秘密。ダニーとのヒーロー稼業。封印した子供時代の記憶。ドーンへの告白。全てを聞いたドーン。彼女の中の正義の心が囁きかける。可哀そうなハンク。彼の封印した触れられたくない記憶。記憶の根源を消し去らなければならない。
ひとり変態コーチの家へ向かうドーン。得意の柔術で一方的に懲らしめるわけにはいかなかった。漫画のように簡単にはいかない。相手はコーチだが元アメフト選手。体力に圧倒的な差。返り討ちにあいボコボコにされるドーン。綺麗な女性が殴られるのは観ていられない。リアルな描写だから余計に観ているのが辛くなってくる。間一髪でハンクが登場。もう止まらない。長年封印してきた記憶が爆発する。謝るコーチに一瞬ハンクにブレーキがかかる。しかし、コーチのパソコンには数えきれないほどの子供を辱めた写真が保存されていた。絶対に改心する事のない奴。謝っているが、その場しのぎ。ここで解放すれば明日から同じことを繰り返す。第二第三の自分のような人間が生み出される。徹底的にやらなければならない。
過去のはず。レイチェル(ティーガン・クロフト)とは知り合う以前の話。それなのに、レイチェルの姿が映りこむ。助けを求めるレイチェル。これは何なのかとドーンが思った瞬間。現実世界で昏睡状態のドーンの意識が戻った。全ては昏睡状態のドーンの頭の中。意識を失くし昏睡状態で過去をさまよっていた。コリー(アンナ・ディオプ)に襲われたレイチェルの心の叫び。眠っているハンクにすがりつくドーン。「ジェイソン・トッドを捜して」ドーンもハンクも知らない名前。謎の言葉。二代目ロビンを捜せとは、どんな意味がある?レイチェルからのSOS。ディック・グレイソン(ブレントン・スウェイツ)ではなくて、ジェイソン・トッド。ここに、どんな意味があるのだろう?
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