【アニメ】どろろ【手塚治虫】第6話「守り子唄の巻・下」見所(ネタバレ)<百鬼丸の叫び>




注意:ネタバレ

dororo
どろろ公式サイトから引用
©手塚プロダクション/ツインエンジン

レビュー

心に響いた。百鬼丸(鈴木拡樹)の叫びが伝わって来た。胸が張り裂けそうになった。悲しい結末。なんの罪も無い者がボロ雑巾のように命を奪われる不条理な世界。肩を寄せ合って小さな命が協力して必死に生きていた。慎ましい夢。その夢が一瞬で断ち切られた。悲しすぎる。悲しすぎて呆然としてしまった。百鬼丸が叫ぶたびに叫びが胸にドンと響いてくる。今まであまり出番が無かった声優鈴木拡樹。ここにきて渾身の最高の叫び声。

ミオの唄。それは何もかも忘れて夢の中へ行くためのもの。獣のような男たちがのしかかってくる。気が狂いそうになるが、待っている皆のためには仕方がないこと。力のない自分にはこうするしか方法がない。皆の顔が浮かんでくる。ひもじい思いをさせて死なすわけにはいかない。自分だけが嫌な思いをすれば皆を救うことが出来る。黄金の稲穂が一面に広がっていく。唄を唄えば重くのしかかる男たちは消え、黄金の稲穂の中で風を感じる自分がいる。田んぼを持って皆で肩を寄せ合って幸せに生きていく夢。それを叶えるためなら、どんな事でも我慢しよう。

母と子の絆。切っても切れない絆。鬼神との取引で醜い姿で生まれてきた我が子。どんな姿で産まれてこようが愛しい我が子に違いはない。非情にも醍醐景光(内田直哉)は赤ん坊を処分してしまった。しかし、縫の方(中村千絵)は我が子がどこかで生きていると感じていた。母と子の絆が訴える。あの日、首が無くなった仏像に祈る毎日。あの子が無事でありますように。いつか、あの子と会えるように。多宝丸(千葉翔也)は嫉妬する。母は何かを隠している。自分よりも愛する存在が見え隠れする。父も母も何かを隠している。焦る多宝丸。母に振り向いて欲しい。自分だけを愛して欲しい。戦で名を上げれば認めてくれるのかもしれない。はやる気持ちを父に直談判。しかし、父は戦場はそんなに甘くないと一蹴する。父も母も自分の気持ちを分かってくれない。多宝丸の心の隙間が広がって行く。

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鬼神に食いちぎられた百鬼丸の右足。生身の足の方だからタチが悪い。作り物の足なら、痛みでのたうち回ることも無かった。琵琶丸(佐々木睦)がいたから命拾い。誰もいなければ出血多量で命を落としていたであろう。刀で木を削って器用に義足を作る百鬼丸。父親代わりの寿海(大塚明夫)から学んだのかもしれない。しかし、傷は癒えてはいない。手負いの状態では鬼神に返り討ちに遭うのが目に見えている。意外にドライな琵琶丸。再び百鬼丸が鬼神に立ち向かう事が予想できたのに協力することなく旅立ってしまった。

ミオの頑張りが裏目に出てしまった。にらみ合いをしている双方の陣を行き来することは危険。スパイとみなされても文句は言えない。疑われたミオに侍たちが詰め寄る。その頃、百鬼丸は鬼神との戦いに身を投じていた。手負いの百鬼丸を心配したどろろ(鈴木梨央)が後を追う。百鬼丸の作戦勝ち。同じ手は喰わない。再び右足を口にしようとした鬼神。どうやって刀を仕込んだのか?子供たちに手伝ってもらったのか?百鬼丸の右足から刀が現れ鬼神の口に吸い込まれる。刃に貫かれた鬼神は絶命。百鬼丸は奪われた右足を取り戻した。取り戻せば奪われる。これは百鬼丸の宿命なのか?ミオたちの住居から煙が上がっている。慌てて戻るどろろと百鬼丸の眼前には悲しい現実が待っていた。ボロ雑巾のように転がっているミオと子供たち。何の罪もない子供たち。戦に巻き込まれて親を殺され体の一部を奪われた子供たち。前を向いて肩を寄せ合って必死に生きていた子供たち。黄金の稲穂があふれる田んぼを持つささやかな夢。

残酷な現実に言葉を失うどろろに切りかかる侍。人の心を失った侍たち。鬼神よりも劣る存在。人の形をしているが人ではない存在。百鬼丸が鬼になっていく。何もかも切り捨てる鬼。百鬼丸の心の目に映るミオの姿。魂の輝きが消えて行く。怒りの感情が百鬼丸を包んで行く。獣のような叫び声を上げて侍たちを切り刻む。自ら鬼神になっていく百鬼丸。琵琶丸の言葉が現実になっていく。どろろの頭に響く琵琶丸の言葉。百鬼丸が鬼になっていく。それを止める事が出来るのは自分しかいない。必死で叫び百鬼丸を止めるどろろ。どろろの想いが百鬼丸に届いた。辺りには切り刻まれた侍たちの死体が転がる。ミオの夢。黄金の稲穂が広がる田んぼ。ミオが大事に持っていた種もみ。夢を叶えるための種もみ。手にした種もみを通じて百鬼丸の頭の中に広がる光景。黄金の稲穂が広がる田んぼの中で手を広げて満足そうに風を感じているミオ。何の罪も無いものたちが巻き込まれ命を落とす非情な世界。どろろと百鬼丸のやり切れない悲しみが広がって行く。

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